「ネーション・オブ・イスラーム」の問題点(後半)
説明: NOIを去った著名人による発言。
- より マイケル・ヤング
- 掲載日時 02 Mar 2015
- 編集日時 02 Mar 2015
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“最も青い眼と最も白い肌をしたムスリム同胞たち”
反白人主義の人種差別を愚かなことと認識し、正統派のイスラームに改宗した元NOIメンバーのなかには、マルコム・Xや、ボクシングのヘビー級世界チャンピオンのムハンマド・アリがいます。2人はこう語っています。
“(マッカへのハッジ巡礼で)異なる肌の色、人種、国籍、君主、国家の長、または貧困国からの一般人に渡るまで、皆シンプルな白い布をまとい、傲慢さや劣等感なしに神へと一心に祈る姿を見るのは、とても貴重な経験だった。それはイスラームにおける平等概念の実現だった。”(ムハンマド・アリ)
“ここムスリム世界で11日間を過ごした間、私は最も青い眼、最も明るい金髪、最も白い肌をしたムスリム同胞たちと、同じ神を崇拝しつつ、同じ皿から食べ、同じ杯から飲み、同じベッドや絨毯で休んだ。そして「白人」ムスリムたちの言葉、行い、功績からは、私がナイジェリアやスーダン、ガーナなどのアフリカ黒人のムスリムたちと同じ誠意を感じ取ったのだ。”
“唯一なる神への信仰は、彼らの精神や態度から「白人さ」を取り除いたのである。それゆえ、我々は真に平等なのだ。”
“この宗教はすべての人間を兄弟として認識する。人は皆、神の前に平等であり、人類は家族であると謳うのだ。エライジャ・ムハンマドが私を騙して利用したように、彼が「イスラーム」の名を語って人々を騙し、利用している人種差別主義を私は完全に拒否する。しかし、私が愚か者だったこと、そして私による伝道が他者に与えた影響は私自身の責任なのであり、そのことで誰も非難するつもりはない。”(マルコム・X)
ネーション・オブ・イスラームはどこへ向かうのか
たとえ、一部にイスラーム的要素を含んだNOIの提唱するライフスタイルが称賛に値するものであったとしても、現在彼らの持つ神学・教義はイスラーム的でないだけではなく、イスラームとは真っ向から相反するものです。しかしながら、良い方向に向かっている兆候がない訳ではありません。
1976年のエライジャ・ムハンマドの死後、彼の息子ウォレス・D・ムハンマド(現在の名はイマーム・ワーリスッディーン・ムハンマド)がNOIの指導者となると、団体名をムスリム・アメリカン・ソサエティに変更し、より正統派イスラームへと近づく方向性を示しました。その3年後、不満を表明したルイス・ファラカンが脱会し、エライジャ・ムハンマドの教えに忠実なNOIを再創立しました。しかし今年の2月、前立腺がんからの回復に向けた療養生活の中、熟考の機会があったのか、ウォレスの方向性と、正統派イスラームへ歩み寄る重要な宣言をしました。
“アッラーは世界への最後の啓示と共にムハンマドを遣わした。預言者ムハンマドの後に預言者はなく、クルアーンの後に啓典はないのだ。”
今後、彼による神の性質と人種問題に対しても同様の声明が出ることを期待しましょう。ルイス・ファラカンと彼のNOIが、いわゆる「ネーション・オブ・イスラーム」から正しいイスラームへの道を見出したマルコム・Xの模範に倣うことを期待したいものです。マルコム・Xはこのように表明しています。
“私はエライジャ・ムハンマドによる「拘束服」をもう着てはおらず、それを誰か他人による物と交換するつもりもない。私は最も正統な意味でのムスリムであり、私の宗教は聖都マッカのムスリムたちによって実践されているものと同じイスラームなのである。アルハムドゥリッラー。”
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