家族の絆(4/4):子供と親戚

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説明: 両親に対する子供の権利、そしてイスラームが強調する、親戚との良好な関係の維持について。

  • より ジャマールッディ―ン・ザラボゾ(© 2009 IslamReligion.com)
  • 掲載日時 06 Dec 2009
  • 編集日時 21 Oct 2010
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子供

子供を持つことは神からの祝福であるということは、クルアーンの多くの節々において明確にされています。それで神はそのことを人類への祝福として、こう述べられています:

“またアッラーは汝らのために、汝らの間から配偶者を定め、配偶者から汝らのために子女や孫を与えられる。また良いものを与えられる。それでも彼らは虚偽を信仰して、アッラーの恩恵を拒否するのか。”(クルアーン16:72)

それ故、私たちは預言者ザカリヤが、子供を授かるよう神に祈ったことを見出すことが出来ます(クルアーン3:38)。それに加え、両親が子供を欲しがるのは周知の事実です。神は仰せられています:

“富と子女はこの世の生活の装飾である。”(聖クルアーン 18:46)

しかし同時に全ての親は、子供を持つということが多大なる責任と神による試練であることを理解すべきです。神は仰せられました:

“汝らの富や子女は、一つの試みに過ぎない。アッラー、かれの御許に(だけ)偉大な報奨はある。”(クルアーン64:15)

またこうも仰せられています:

“汝ら信仰する者たちよ、人間と石を燃料とする火獄から汝ら自身と汝らの家族を守れ。”(クルアーン66:6)

この節の意味するところは、預言者ムハンマド(神の慈悲と祝福あれ)自身によっても何度も繰り返されています。彼はこう述べています:

“あなた方は皆羊飼いであり、あなた方が世話したものに関して問われるだろう。男は彼の家族に関して責任があり、彼の責任に関して問われる。妻は夫の家に関して、そして彼女の責任に関して問われるのだ。”1

それ故イスラームは、子供を授けられたことによる感謝の気持ちを人間に抱かせ、同時に子供は大きな責任であることを理解させるのです。両親は子供の面倒を見つつも最善の方法で育てなければならず、その子供を地獄の炎から守らなければなりません。

ムスリムの学者たちは、子供の権利は彼らが生まれる前から存在していると見なします。それはまず敬虔で誠実な配偶者の選択から始まります。これは子供にとって良い家族と環境を整えるための第一歩なのです。子供が生まれる頃になると、他の重要な責任が生じます。それは子供に対する良い名前の命名、そして子供のための動物の犠牲です。2それ以後も、最も重要な子供の権利として以下のようなものがあります:

⑴扶養と健康維持。

⑵宗教における基本箇条の教育。

⑶ 情けと慈悲をもって接すること。

⑷兄弟間の平等。

⑸両親による良い模範の提示。

親戚

家族には兄弟、そして親戚も含まれます。イスラームは当然、親戚を軽んじることはしません。神はクルアーンにおいて実に多くの箇所で、親戚に対して親切かつ良い態度で接するよう強調されています。神は仰せられました:

“アッラーに仕えなさい。何ものをもかれに併置してはならない。父母に懇切を尽くし、また近親や孤児、貧者や血縁のある隣人、血縁のない隣人、道連れの仲間や旅行者、およびあなた方の右手が所有する者(に親切であれ)。”(クルアーン4:36)

神はまた、親戚に対する施しにも触れられています:

“彼らは、如何に施すべきか、汝に問うであろう。言え。「あなた方が施してよいのは両親のため、近親、孤児、貧者と旅路にある者のためである。”(クルアーン2:215)

また、このようにも仰せられました:

“正しく仕えるということは、あなた方の顔を東または西に向けることではない。つまり正しく仕えるとは、アッラーと最後の(審判の)日、天使たち、諸啓典と預言者たちを信じ、かれを愛するためにその財産を、近親、孤児、貧者、旅路にある者や物乞いや奴隷の解放のために費やし・・・”(クルアーン2:177)

ある時、預言者ムハンマドはこういった要望を受けました:

“私を楽園に近づけ、地獄の炎から遠ざける行為を教えて下さい。”彼は答えて言いました:“神を崇拝し、かれに何者をも配してはならない。礼拝の務めを守り、喜捨し、親戚関係を保つのだ。”3

親戚関係を保つということは、自らの発言、行為、富によって彼らに対する善行をするということです。それには親切な言葉、訪問、喜捨、寛大さなどが含まれます。ま彼らに対する危害を阻止すること、そして彼らに幸福がもたらされるよう、全力を尽くすことなども含まれます。

ムスリムは、親戚関係を保持することが義務であり、それが単に価値ある行為であるだけではないことを理解しなければなりません。クルアーンにおいて、神は以下のような人々を称賛されています。

“結ばれるようアッラーが命じられる者と一緒になり、(つまり親類に親しくし、関係を断絶しないこと)主を畏敬し、(審判の日の)悪い清算を恐れる者である。”(クルアーン13:21)

また預言者はこう述べられています:

“親戚関係を絶つ者は、楽園に入ることが出来ないだろう。”4

イスラームは、考え得るあらゆる種類の家族関係の堅持を強調しており、両親、子供、配偶者などの親族の重要性と、そこにおける指針を示しています。また全てのムスリムに対し、これらの関係を満たすことで神の御満悦を獲得することを勧めています。更に(この短い文章では完全に強調することが出来ませんが)、個人がいかにして親類との適切な関係を築くことが出来るかについて、諸々の法と厳しい規則を定めているのです。



Footnotes:

1 サヒーフ・アル=ブハーリー、サヒーフ・ムスリム。

2 このアキーカと呼ばれる犠牲では、貧者・家族・友人・隣人に肉が配られます。

3 サヒーフ・アル=ブハーリー、サヒーフ・ムスリム。

4 サヒーフ・ムスリム。

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