家族の絆(3/4):配偶者共通の権利

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説明: 夫婦共通の権利と、穏やかな家庭を築くための双方による補助的な役割について。

  • より ジャマールッディーン・ザラボゾ (©
  • 掲載日時 06 Dec 2009
  • 編集日時 21 Oct 2010
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現実的には配偶者の双方とも、他方への義務を果たすことに関して通常は失敗していると言えるでしょう。それ故相手に対して厳しくする、またはその欠点を批判する以前に、自分自身を見つめ直し、何か間違ったことをしていないか良く考えるべきです。

しかし同時に、イスラーム法は婚姻関係において双方にどのような権利、責任があるのかを明確にさせており、適切な配偶者となるには何が必要であるかという知識を提供してます。神はこう仰せられています:

“女は、公平な状態の下に、彼ら(夫)に対して対等の権利をもつ。”(聖クルアーン 2:228)

要約すると、妻の権利もしくは夫の義務の中には、以下のものが含まれます。

⑴婚姻の際の適切な結納金(または品物)の受け取り。神は仰せられています:

“そして(結婚に際しては)女にマハル(結納金・品物)を贈り物として与えなさい。だが彼女らが自らその一部を戻すことを願うならば、喜んでこれを納めなさい。”(クルアーン 4:4)

⑵夫による完全な経済的扶養の享受。神はこう仰せられています:

“男は女の擁護者(家長)である。それはアッラーが、一方を他よりも強くなされ、また彼らが自分の財産から(扶養するため)経費を出すためである。”(クルアーン4:34)

更に、アル=ブハーリーとムスリムによって記録されたハディースによれば、ヒンド・ビント・ウトバが彼女の夫(アブー・スフヤーン)は吝嗇家で彼女を養わないので、こっそり彼の富から何かを引き取っても良いかと預言者(神の慈悲と祝福あれ)に尋ねた時、彼はこのように言っています:

“あなたとあなたの子供に必要な分だけ、常識的な範囲で取りなさい。”

⑶適切・親切な対遇。神はこう述べられています:

“出来るだけ仲良く、彼女らと暮しなさい。汝らが、彼女らを嫌っても(忍耐しなさい)。そのうち(嫌っている点)にアッラーからよいことを授かるであろう。”(クルアーン4:19)

⑷性交を営む権利:イブン・ヒッバーンのサヒーフには以下のような既述があります。

ウスマーン・ブン・マドウーンの妻が、自分の夫には性欲がないと預言者に不平を述べました。彼は昼間は斎戒し、夜は(任意の)礼拝をしていたのです。預言者は彼に尋ねました:“あなたにとって私は最も優れた模範ではないのですか?”彼は答えて言いました:“もちろんそうです。私の両親があなたの犠牲になりますように。”神の使徒は彼に告げました:“あなたは昼間は斎戒し、夜には礼拝しているが、あなたの妻はあなたに対する権利を持っているのです。そしてあなたの身体もあなたに対する権利を持っています。だから礼拝してはきちんと眠り、斎戒してはそれを解くのです。”

⑸“プライバシー”の権利。預言者の言葉として次のようなものが報告されています:

“あなた方の内で、妻のところへ赴いて扉を閉め、自分たちを覆い、神の覆いによって自分たちを隠す者(つまり配偶者と性交渉をする者のこと)は居ますか?彼らは言いました:“はい。”すると彼は言いました:“そしてその後(誰か他の者と)同伴し、‘私はこれこれこういうことをした’などと言う者は?”すると彼らは沈黙しました。それから彼は、今度は女性たちの方を向いてこう言いました:“あなた方はこのようなことに関して会話をしていますか?”すると彼女らも同様に沈黙しました。その時ある少女が、預言者が彼女を見聞きすることが出来るよう彼の足元に近づいて来て、こう言いました:“アッラーの使徒よ、彼らは実際にそういったことを話し、彼女らも同様に話しています。”彼は言いました:“彼女らがどういうことをしているのか分かりますか?彼女らは路上で悪魔に出会い、人々の眼差しを受けつつ彼らの欲望を満たしている女悪魔のようなことをしているのですよ。”1

⑹教育を受ける権利、または宗教を学ぶ権利。

一方で、夫の権利または妻の責任には、次のものが含まれます。

1.一家の主であること。神は仰せられました:

“男は女の擁護者(家長)である。それはアッラーが、一方を他よりも強くなされ、また彼らが自分の財産から(扶養するため)経費を出すためである。”(クルアーン4:34)

これは通常、夫の権利であるとされますが、彼には家族を導きつつも正道に留まらせる責任があるため、実際には彼の両肩にのしかかる重責であるとも言えるでしょう。

2.服従される権利。これは⑴と共通します。男性は権威がない限り、何かの長であることは出来ません。

3.妻に性的欲求を満たしてもらう権利。

4.夫の許可のない限り、妻は何者も彼の家に通さない権利。アル=ブハーリーとムスリムによって記録されたハディースによると、神の使徒はこのように述べています:

“彼の許しがない限りは、誰も家に入れてはならない。”

もしも夫婦が神の御満悦、そして双方の喜びを得るために婚姻関係を結び、お互いの役割と責任を認識し、お互いにイスラーム的品行に基づいた付き合いをするのであれば、彼らの結婚は祝福された結婚となり、現世を超えて来世にまで続くものとなるでしょう。

婚姻関係に関してここまで述べられたことに加え、イスラームは実践的宗教であることにも触れられなければならないでしょう。そして一般的に起こり得るシナリオに関しても念頭に置かれるべきです。男女が良い意図を持って婚姻関係を持ったとしても、お互いの性格、または好みの不一致などは起こり得ます。また夫婦仲が常に険悪であれば、良い婚姻関係を保つことが不可能になります。そのような状況下であれば、イスラーム法は彼らの婚姻関係と苦悩の終結を許可します。2婚姻関係の目的とはお互いに友好関係と共に留まること、または潔く離別することなのです。従って、神はこの様に仰せられています:

“汝らが妻を離婚して定められた期限が満了したならば、公平な待遇で同居させるか、または親切にして別れなさい。”(クルアーン2:231)

また、神は述べられています:

“その(離別)期限が満了した時は、立派に留めるか、または立派に別れなさい。”(クルアーン65:2)

離婚が望ましい結果、または軽々しく行なわれるべきものではないことは、至極明白です。完全な世界においては、あらゆる夫婦は至福の中にあるでしょう。しかし、時にはこういった選択肢が双方にとって最善だということもあるのです。それ故、離婚という選択肢も家庭の保護という目的においては一致しているのです。全ての婚姻関係が常に維持されるというのは望ましいことですが、それは数の問題ではなく質の問題なのです。



Footnotes:

1 アブー・ダーウード

2不幸にも現在のムスリム国家の一部では、離婚というものが非常に“恥ずべき行為”と見なされ、彼らはこのイスラーム的にも重要な要素を怠り、夫婦間の沈黙という苦痛な結果を招いています。これは決してイスラーム法の目的ではありません。

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