諸天使への信仰
説明: 諸天使の真実—それらの数と能力、そして使命
- より IslamReligion.com
- 掲載日時 05 Dec 2009
- 編集日時 05 Dec 2009
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諸天使に関する事実
一般的な民間伝承において、天使は自然界の力、幻、もしくは単なる錯覚と見なされています。西洋の図解書では、時として天使たちはまるまると太った無邪気な赤ん坊や頭部に輝く光輪を戴いた美男子や美少女として描かれています。イスラーム教義はかれらの存在を認め、かれらがいずれ死を被る創造物としていますが、通常私たちの認識では捉えることが出来ません。
かれらは神のような存在でなく、宇宙の諸区画を司る神の助手でもありません。またかれらが私たちの礼拝を神に届けるようなことはなく、私たちの崇拝や祈願の対象でもありません。かれらは皆一様に神に仕え、かれの命令を実行するのです。
イスラーム的世界観には堕天使なるものが存在しません:かれら天使は‘善’や‘悪’に区分されません。人が死後に天使になることもありません。悪魔は堕天使ではなく、神によって人間、天使と平行して創造されたジン(精霊)の一種なのです。
天使は人間が創造される以前に光から創られた為、イスラーム美術においてかれらの姿が描写・表現されるのは非常に稀です。それでもかれらは一般的に言ってクルアーンに記述されているように、翼を持つ非常に美しい存在なのです。
諸天使は大きさ、地位、そして特性などに相違があるため、宇宙における異なる階層や階位を形成しています。
諸天使の内最も偉大なものはガブリエルです。預言者ムハンマドはかれの本来の姿を目にしています。また、神の玉座に付き添うものたちもまた、最も偉大な諸天使の中に含まれます。かれらは信仰者たちをこよなく愛し、彼らの罪を赦してもらうよう、神に嘆願しているのです。かれら神の玉座を支える者たちに関し、預言者ムハンマド(彼に神の称賛を)はこのように語っています:
“私は玉座を支える神の諸天使に関して話すことを許されました。かれらの耳たぶから肩までの距離は、700年間の旅路に値します。”(アブー・ダーウード)
かれらは飲食をしません。そして神への崇拝に飽きることや疲れることも知らないのです:
“かれらは毎日毎晩にかれを讃え、休むことを知らない。”(クルアーン21:20)
諸天使の数
天使たちは一体どれ位いるのでしょうか?それは神のみが御存知です。マッカの街に立つ黒い立方体である周知のカアバ聖殿の天空には更なる聖域が存在しますが、そこには毎日7万の天使たちが訪れては去り、そして一度去った天使たちは2度とそこに戻ってこないのです。[1]
諸天使の名前
ムスリムはイスラーム典拠において触れられているジブリール(ガブリエル)、ミーカール(ミカエル)、イスラーフィール、そして火獄の番であるマーリクなど名前が言及されているある種の諸天使を信じます。聖書ではこれらの内、ガブリエルとミカエルの両者のみにしか触れられていません。
天使の能力
天使たちは神によって授けられた偉大なる力を持っています。かれらは様々な形に変化することが出来ます。クルアーンにはイエスの受胎時に際し、神がいかにマリアへ人の姿をしたガブリエルを遣わせたかが述べられています:
“その時われはわが天使(ジブリール)を遣わした。かれは1人の立派な人間の姿でかの女の前に現われた。”(クルアーン 19:17)
また、諸天使は人間の姿でアブラハムを訪れています。同様に、諸天使はロトの元を美青年の姿で訪れ、彼に差し迫った危機を告げ知らせました。またガブリエルは異なる姿で預言者ムハンマドの元をたびたび訪れていました。時には美しい弟子のひとりの姿で現れ、またある時には砂漠のベドウィン(遊牧民)の姿で現れました。
諸天使は状況によっては人間の姿をして現れ、一般の人々を巻き込むこともあるのです。
ガブリエルは人類のため、神より天から遣わされた使徒です。かれは神からの啓示を人間の使徒に伝える役目を担っています。神は仰せられました:
“言ってやるがいい(ムハンマドよ)。「ジブリールに敵対するのは、誰であるのか。本当にかれこそは、アッラーの御許しにより、先にあるものを確証し、また信者への導き、吉報として、あなたの心に(主の啓示を)下す者である。”(クルアーン 2:97)
諸天使の使命
一部の天使たちはこの物質世界における神の法執行を任されています。ミカエルは雨の責任者であり、何であれ神が望んだことを指揮します。かれには主から命じられてかれを援助する協力者がおり、かれらは神の意思によって風や雲を指揮します。また他に審判の日のラッパを鳴らす責任を負うイスラーフィールや、死の際に肉体から魂を抜き取る役目を持つ死の天使、その補助者などが存在します。神は仰せられています:
“言ってやるがいい。「あなた方を受け持つ死の天使があなた方を死なせ、それから主に帰らせる。」”(クルアーン32:11)
また守護天使は、在宅中であれ旅行中であれ、睡眠・起床時など一生を通して信仰者を守る役目を担います。
また人の善行、悪行の記録を担当するものも存在しますが、それらは“栄誉ある書記”として知られています。
またムンカルとナキールの二天使は墓地で人を試練にかける役割を担います。
また諸天使の中には楽園の守護者また19人の火獄の門番がおり、かれらの長は‘マーリク’と呼ばれます。
また、胎児に魂を吹き込み、その現世での糧、寿命、所業、そしてその幸・不幸を書き込む役割を負う諸天使も存在します。
そして一部の天使は放浪して世界を旅し、神を称える集まりを探します。また神による天の軍隊を組織する諸天使も存在し、列をなして起立し、座ることや疲れを知らず、他方には屈折礼や平伏礼のまま頭を上げない、いつまでも神を崇拝し続けるものたちも存在します。
このように諸天使は神の崇高なる創造であり、その数、役割、能力は実に多種多様なのです。神はこれらの創造の助けを必要としません。しかしかれらへの知識と信仰は、私たちが神に対して抱く畏敬の念をさらに増幅させることにつながります。神は何であれ望んだものを創造しますが、かれの創造物の壮大さはその創造主の壮大さの確かな証明なのです。
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