イスラームとは何か?(3/4):イスラーム信仰の本質的要素
- より IslamReligion.com
- 掲載日時 22 Mar 2010
- 編集日時 22 Mar 2010
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イスラームに従う者には、確固とした信念を持たねばならない様々な信仰的側面がある。その中でも最も重要なものは六つあり、それらは一般に“六信”と呼ばれる。
1)神への信仰
イスラームは厳格な一神教を掲げますが、そのような中、神への信仰は人々の核心部分に相当します。またイスラームは神は子をもうけられず、お生まれにもならないという唯一神信仰を説き、神以外の何者も世界の管理において共同するものはないとします。神だけが生と死、善や試練をもたらし、創造物に糧を供給するのです。イスラームにおける神とは、唯一の創造者、主、供給者、支配者、裁決者、そして宇宙の救済主なのです。神の知識や威力などの特質や能力に匹敵する者は存在しません。全ての崇拝や敬慕は神に対してのみ向けられます。これらの概念のどれかが侵害されれば、それはイスラームの基礎を否定することにつながります。
2)諸天使への信仰
イスラームの追従者は、クルアーンでも述べられている不可視の世界を信じなければなりません。この世には神により特定の任務を任せられた諸天使が存在します。かれらには自由意志がなく、命令に反する能力も持ちません。かれらの天性は神に忠実なしもべであることなのです。諸天使は神格化されず、崇拝や称賛の対象ともなりません。かれらは神のしもべに過ぎず、神のあらゆる命令を守るのです。
3)諸預言者・使徒への信仰
イスラームは普遍的かつ包括的な宗教です。ムスリムは預言者ムハンマド(彼に神の称賛を)だけでなく、アブラハムやモーゼを含むヘブライ人の諸預言者、イエスやヨハネなどの新約聖書の諸預言者も信じます。イスラームでは、預言者はユダヤ人やキリスト教徒だけにではなく、全世界の全民族に対するただ一つの核心的メッセージをもって遣わされたのであるのだと説きます。それはつまり、ただ神のみを崇拝しなさい、というメッセージなのです。ムスリムは神がクルアーンの中で触れている全ての預言者を差別することなく信じます。そして最後のメッセージを携えて遣わされたのがムハンマドであり、彼の後に預言者が来ることはありません。彼のメッセージは最終かつ永続的であり、神は彼を介して人類に対するメッセージを終結したのです。
4)諸啓典への信仰
またムスリムは、神が諸預言者を介して人類に啓示した数々の啓典を信じます。これらの啓典にはアブラハムの諸啓典、モーゼのトーラー、ダビデの詩編、そしてイエスの福音なども含まれます。これらの啓典は共通の源泉(神)と同一のメッセージを有し、全て真実の形で啓示されました。しかしそれらの真実がずっと保持されていたわけではありません。ムスリム、そして多くのユダヤ教徒やキリスト教徒の学者や歴史家により、今日存在しているクルアーン以外の全ての啓典は本来の形ではなく、改竄あるいは幾度にも渡る翻訳をされ続けた結果、元来のメッセージが失われていることが明らかになっています。
キリスト教徒が、旧約聖書が新約聖書により全うされその任務を果たしたと見なすのと同様、ムスリムはユダヤ教、キリスト教とその他全ての諸宗教の啓典と教義に入り込んだ過ちを正すため、預言者ムハンマドが神による啓示を受けたのだと信じます。この啓示こそがクルアーンであり、それはアラビア語で下され、現在も元来の形をそのまま保っているのです。それは精神的、世俗的、個人的そして集団的側面などに限らず、あらゆる側面から人類を導きます。クルアーンは人生における品行のあり方を含む一方、物語やたとえ話による教訓を与えると同時に神の特性を説明し、更には人間社会の最適な運営法を提供するのです。そこには全ての人々、場所、時代に対する教導があります。現在、何百万人もの人々がクルアーンを暗記し、全てのクルアーン写本は今も昔も変わらない形で残存しています。神は人類にとって導きが明確であるよう、また全預言者のメッセージを探し求める者がそれを得られるよう、神ご自身が終末の時までクルアーンをあらゆる改ざんや変更から護ると約束しています。
5)死後の世界への信仰
ムスリムは全創造が滅びる日が到来し、現世における所業を裁かれる時が来ること(審判の日)を信じます。この日人々は現世での生活をいかに過ごしたかを神の面前で問われます。そして神と人生への正しい信仰を持ち、その信仰を善行をもって実践した者は楽園へと入れられます。その罪の一部が神の無限なる正義によって赦されなかった場合には、それを地獄で償わなければなりません。多神教に染まってしまった人々は地獄へと落とされ、永久にそこから出ることはないでしょう。
6)天命への信仰
イスラームは神が全ての知識と権能を有すると説き、神の知らないこと、神のご意思ではないことは何も起こらないとします。天命、宿命、または“運命”はアラビア語でアル=カドルとして知られます。神はあらゆる創造物の運命を既にご存知なのです。
しかしながら、この信仰は人間が自由意志により自らの道を進み、行動を起こすこととは矛盾しません。神は私たちに何も強要しませんし、私たちは神に従うか、背くかを選ぶことが出来るのです。そして私たちの選択は、私たちがそれを選ぶ前からもう神はご存知なのです。また私たちは自分の運命を知りませんが、神はあらゆるものの運命をご存知です。
したがって、私たちに何が起ころうがそれは神の意思によるものであり、神は全知であることを私たちは確信すべきなのです。この世界には私たちの理解を超えるものがありますが、私たちは神の叡智が全てに及ぶことを信頼すべきでしょう。
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