クルアーンの紹介(パート2/2):その奇跡性と言語

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説明: クルアーンの奇跡的美しさと、それに対するムスリムの愛慕の念。そしてクルアーンの言語と、それがイスラーム文明に及ぼした歴史的影響。

  • より IslamReligion.com
  • 掲載日時 17 May 2010
  • 編集日時 17 May 2010
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ムスリムは、クルアーンの偉大さと重要性を完全に確信しています。そしてクルアーンは通常、「崇高なる」「光栄ある」「純粋なる」といった形容詞を伴って言及されます。一体ムスリムがクルアーンを朗誦し、その節を目にし、あるいは単に触れる時でさえも非常に感動するのは、なぜなのでしょうか?

クルアーンの様式は奇跡的であり、神聖な美しさと力強さを備えています。いかに努力したとしても、人間はその天啓の書の一節に値する短い文章すら書くことは出来ないでしょう。この事実は、奇跡的なまでの文章の文学的特質と、言葉の有効性‐その変格と秘められた力‐と多分に関係があります。クルアーンは文盲の羊飼いでさえもその朗誦によって涙させ、およそ14世紀もの間、何百万ものごく普通の人々の生活を形作って来ました。またクルアーンは、人類史に残るような非常に偉大な多くの知識人たちをも育成しました。そして教養のある者たちを立ち止まらせ、敬虔なる信仰者へと変えました。またクルアーンは、最も難解な哲学や、視覚的言語における最も深遠な意味を表現する芸術の源泉でもありました。そして、彷徨していた人類の種族を共同体と文明のもとにまとめたのです。その痕跡は、最も無頓着な観察者にとってさえ顕著なものであるに違いありません。

クルアーンの朗誦は、ムスリムにとって最も崇高で啓発的な任務です。それは‐大部分の非アラブ人信者がそうであるように‐クルアーンの言葉が知的に理解不可能な場合でも、変わりません。ムスリムはクルアーンを、出来るだけ美しく朗誦しようと望みます。そして、ティラーワ(正しい朗誦)の学問は、一つの科学にまで発達しました。特に声の美しさを強調せずに朗唱する時でも、朗誦の特定の原則は守らなければなりません。ハーフィズ(クルアーンを「守る」者)とは、すなわちそれを全暗記している人のことで、非常な尊敬を受けています。そして少年少女は幼少時からモスクに送られ、クルアーンを暗記するのです。

また、その神聖な特性を汚さないためにも、クルアーンは誰かが偶然踏みつけてしまったり、その上に座ったり、あるいはぞんざいに扱われてしまう恐れのある場所に放置されぬよう、気を付けなければなりません。また、何かを上に載せるための踏み台として書物を利用することは非常に忌避されることですから、クルアーンについては言うまでもありません。ムスリムは、クルアーンを読まない時には、それを本棚か書見台に戻します。一部の人々は保存のため、そして身体が清浄な状態にはない時にその必要が生じた際にも触れることが出来るよう、自分のクルアーンを慎重に布で包んでいます。またムスリムは、クルアーンが他の本より上に置かれることを確認したがりますし、それをただ放ったらかしにすることを避けます。またクルアーンは、人が排尿したり排便したり、あるいは大きな穢れ(トイレ、くず山、羊小屋、下水道など)の存在する場所に携帯することを厳しく禁じられています。そのような場所では、クルアーンを読むことさえ許されません。

クルアーンの言語

クルアーンの世界観は、アラビア語と密接に結びついています。アラビア語は、ヘブライ語やアラム語(イエスが話していた言語)と同様、セム系言語集団に属します。クルアーンはそれ自身、「アラビア語の啓典」と特別な定義をしています。そしてそのメッセージは、どんなヨーロッパの言語構造とも根本的に異なる、選ばれた言語の複合構造へと嵌め込まれるのです。セム系言語の内部論理は、インド・ヨーロッパ語族(英語、ラテン語、サンスクリット語、ペルシャ語など)のそれとは非常に異なります。アラビア語の全ての言葉は、いくつかの名詞や形容詞と共に、3つ、4つ、または5つの子音からなる動詞的起源に遡ることが出来ます。そしてその子音は、12の異なる動詞の様式にまで派生変格されます。これが3文字語根と呼ばれるもので、特定の語はそこに長母音や短母音を挿入され、そして接尾辞と接頭辞を付加されることによって作られるのです。このような語根は、生を与えられる、つまり母音によって有声化されるまで、「死んだ状態」すなわち発音不可能な状態にあります。そしてこのような位置づけゆえに、アラビア語の基本的意味は様々に異なる方向において発展するのです。時に語根は「肉体」、そして母音化は「魂」と描写されます。あるいはまた、その語根から巨大な樹木が成長するのです。アラビア語の単語の意味と、そこに関連した概念を理解することなしには、そこに関連する意味の豊かさや、単語を英訳することの困難さ、そして元来が明確であるアラビア語の単語間の相互関係を正しく理解することは不可能です。

クルアーンの崇高な言語に対するムスリムの傾倒は、アラビア語文法及び修辞学の学習へと発展しました。それは非アラブ人がイスラームに入信してその数が増大し、啓示の言語の特色について学習する必要が生じた時に顕著でした。クルアーンは翻訳不可能であるという信念は、彼らイスラームへの入信者に対して、アラビア語学習か、あるいは少なくともアラビア文字学習を不可避なものとさせました。しばしばこの現象は、アラビア半島以外の全アラブ国家がそうであったように、事実上諸々の国家にアラビア語を自国語として採用させることになりました。またこのことは、アラビア語文字を受容した他の言語(例えばペルシャ語、トルコ語、マレー語など多くの言語)に対し、巨大な影響を及ぼしました。またクルアーンの言葉と表現は、非アラブ人や非ムスリムのアラブ人の間でさえ、高尚な文学の中ではもちろんのこと、日常会話においても使用されているのです。

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