天使たち(2/3):神によって授けられた力
説明: 彼らの名前と役割について。
- より アーイシャ・ステイシー
- 掲載日時 01 Apr 2013
- 編集日時 07 Apr 2013
- プリント数: 73
- 観覧数: 20,085 (日平均: 5)
- 評価者: 79
- メール数: 0
- コメント日時: 0
天使たちは、神によって光から創られた存在です。彼らは命令された任務を躊躇することなく実行に移します。ムスリムはクルアーン、そして預言者ムハンマドにまつわる真正の伝承集によって天使のことを知ります。前回の投稿では、天使たちが美しく、翼を有し、神の許可によって姿かたちを変えることの出来る被造物であることを明らかにしました。天使たちは名前、そして実行に移すべき使命を持っています。
ムスリム、非ムスリムに最も知られている天使はガブリエル(ジブリール)です。天使ガブリエルははユダヤ・キリスト教双方の伝統において大天使・神の使徒と言及されており、3大一神教のそれぞれにおいて偉大なる地位を有します。
“本当にこれ(クルアーン)は、高貴な使徒(ガブリエル)の(アッラーからの)言葉。(かれは)玉座の主の御前で(尊厳される地位の)座につく、力のある、従われ、信頼される(使徒である)。”(クルアーン81:19−21)
ガブリエルは神の言葉であるクルアーンを、預言者ムハンマドに伝達しました。
“本当にかれ(ガブリエル)こそは、アッラーの御許しにより、先にあるものを確証し、また信者への導き、吉報として、あなたの心に(主の啓示を)下す者である。”(クルアーン2:97)
ミカエル(ミーカーイール)は雨を管理する天使で、イスラーフィールは審判の日にラッパを吹く天使です。これらの3天使は、その任務の重要性から最も偉大な天使の内に含まれます。彼らの任務のそれぞれは、生命の存続に関わるものです。天使ガブリエルは、神から預言者ムハンマドへとクルアーンを伝達しましたが、クルアーンは心と精神を潤します。天使ミカエルは雨を管理して地上を育み、私たちの身体を養います。天使イスラーフィールはラッパを吹く責任者であり、それは天国か地獄のどちらかにおける永久なる人生の始まりを告げます。
預言者ムハンマドが夜間の礼拝に起きたとき、彼はこのような言葉で礼拝を始めました。“神よ、ジブリール、ミーカーイール、イスラーフィールの主よ、天地の創造主、不可視界と可視界を通暁される御方よ。あなたこそは、あなたのしもべたちが相違する諸事に判決を下す御方。あなたのお許しにより、真理に対して論争される諸事について、お導きください。あなたこそは、あなたがお望みの者を、真っ直ぐなる道へとお導きになる御方です。”1
その他の天使たちの名前も分かっています。マーリクは地獄の門番として知られます。“彼ら(地獄の民)はこう叫ぶ。「マーリクよ、あなたの主が我々に終わりをもたらしてくれたなら・・・!」(クルアーン43:77)ムンカルとナキールは、墓の中で人々に質問をする天使です。預言者ムハンマドにまつわる伝承集からも分かるように、私たちは墓の中で天使たちによって質問を受けることになります。
“死者が埋葬されると、一方はムンカル、もう一方はナキールと呼ばれる2人の天使が現れる。彼らは問うだろう。「汝はこの者についてどう言っていたか?」すると彼は過去に言っていたことを言う。「彼はしもべであり、神の使徒です。私はアッラー以外に神はなく、ムハンマドはアッラーのしもべであり、使徒であることを証言します。」彼らは言うだろう。「我々は汝がそう言っていたのを予め知っていた。」すると彼の墓は70キュービット四方にまで広められ、明かりが灯される。そして彼らは言うだろう。「眠れ。」彼は言う。「私の家族のもとヘ行き、告げるのです。」彼らは彼に言う。「最も愛する者以外には起こすことの出来ない花婿のように眠るのだ。」それは神が彼を起こすまでの間だ…”3
クルアーンにおいては、人々に魔術を教えるためにバビロンへと遣わされた、ハールートとマールートという2人の天使の物語を見出すことが出来ます。イスラームでは魔術の使用が禁じられていますが、それらの天使たちは人々への試練として送られています。ハールートとマールートは、人々へ魔術を教える前に、自分たちが試練としてバビロンの民へと遣わされたこと、そして魔術の使用者は来世の居場所がないこと、つまり地獄に堕ちることを明確に警告しました(クルアーン2:102)。
死の天使の名はアズラーイールであるとされてはいますが、クルアーンと預言者ムハンマドにまつわる真正の伝承集のどちらにも、それを裏付ける根拠は存在していません。私たちは死の天使の名前を知りませんが、その天使の役割、そして彼には補佐がいることを知ります。
“言ってやるがいい。「あなたがたを受け持つ死の天使があなたがたを死なせ、それから主に帰らせる。」”(クルアーン32:11)
“死があなたがたの1人に臨む時、われが遣したもの(死の天使)たちは、それ(魂)を取り上げる。かれら(死の天使たち)は、(わが命令に)怠慢ではない。それからかれらは、真の主、アッラーに戻される。”(クルアーン6:61−62)
また天使たちの中には、世界中を回り、神のことを唱念している人々を探す者たちがいます。預言者ムハンマドにまつわる伝承集からは、次のようなことが分かります。“神のもとには、道すがら唱念する人々を探す天使たちがいる。彼らが神を唱念する人々を見つけると、お互いにこう呼びかける。「あなたが渇望していたもののもとに来るのだ。」そして彼らはそれらの人々を一番下の天にまで届く彼らの翼で覆う。そして彼らよりも知識のある彼らの主はこう尋ねる。「われのしもべは何と言っているのだ?」彼らは言う。「彼らはあなたを讃え、賛美し、称賛し、嘆美しているのです。」かれは尋ねる。「彼らはわたしを見たことがあるのか?」彼らは言う。「いいえ、神にかけて、彼らはあなたを見たことがありません。」かれは尋ねる。「もし彼らがわたしを見たのなら、どうであろう?」彼らは言う。「彼らはさらに熱心になり、称賛と崇拝に身を捧げることでしょう。」かれは尋ねる。「彼らがわれに求めるものは何だ?」彼らは言う。「彼らはあなたに楽園を求めています。」かれは尋ねる。「彼らはそれを見たことがあるのか?」彼らは言う。「いいえ、神にかけて、彼らはそれを見たことがありません。」かれは尋ねる。「もし彼らがそれを見たのなら、どうであろう?」彼らは言う。「彼らはさらに熱望し、より切実にあなたに嘆願することでしょう。」かれは尋ねる。「彼らは何からわれの加護を求めるのか?」彼らは言う。「地獄の業火からです。」かれは尋ねる。「彼らはそれを見たことがあるのか?」彼らは言う。「いいえ、神にかけて、彼らはそれを見たことがありません。」かれは尋ねる。「もし彼らがそれを見たのなら、どうであろう?」彼らは言う。「彼らはさらに恐怖し、それから遠ざかりたいと気を揉むことでしょう。」神は言う。「あなたがたはわれの証人であり、われは彼らを容赦した。」天使たちの一人は言う。「何某は実際には彼らの内の一人ではない。彼は別の理由によって(集まりに)来たのだ。」アッラーは言う。「彼らは皆、集まりにいたのであり、彼らの内の一人も(容赦から)除外はされないのだ。」4
ムスリムは、天使たちが人間に対し特別な任務を遂行すると信じます。彼らは人間を守衛・保護し、2人の天使たちが善行と悪行を記録します。彼らは礼拝を証言をし、子宮の胎児に対しても責任を負います。次の投稿では、天使と人間の関係についてより詳しく見ていきます。
コメントを付ける