預言者ムハンマド
- より アーイシャ・ステイシー
- 掲載日時 24 Feb 2014
- 編集日時 13 Apr 2015
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預言者ムハンマド(神の慈悲と祝福あれ)は、12億人以上ものムスリムによって愛される人物です。彼は私たちに、逆境のときには忍耐するよう、そして現世では来世における永久の人生を求めつつ生きるよう説いた人物です。神がクルアーンを啓示したのは、預言者ムハンマドでした。この導きの書と共に、神はその振る舞いと高い道徳基準によって全人の見本とした、預言者ムハンマドを遣わしたのです。預言者ムハンマドの人生はクルアーンそのものでした。彼はそれを理解し、こよなく愛し、その基準に則った人生を送りました。彼はクルアーンを朗誦し、その原則に基づいた生活を送り、それを愛するよう私たちに教えました。ムスリムが神の唯一性への信仰を証言するときは、ムハンマドが神のしもべであり、最後の使徒であることも同時に証言します。
ムスリムは、ムハンマドの名が言及されるのを耳にすると、彼に神の祝福があるよう祈願します。預言者ムハンマドは、他の人々と同じく人間でしたが、彼による人類への愛が彼を引き立てているのです。ムスリムは預言者ムハンマドを愛しますが、彼の私たちへの愛情が、彼を他の誰よりも勝る人物とするのです。彼は天国を欲しましたが、それは彼自身のためだけではなく、私たち全員のためでもありました。彼が涙を流したのは、彼自身のためではなく、彼のウンマ1、そして人類全体のためだったのです。彼はこう言って泣いているのをたびたび目撃されています。「神よ、私のウンマを、私のウンマを。」
ムスリムはまた、ノア、モーゼ、アブラハム、イエスを含む、ユダヤ教・キリスト教でも言及される諸預言者たちが、「子女をもうけることのない唯一なる神のみを崇拝せよ」という同じメッセージを携えて遣わされたことを信じています。ただ、預言者ムハンマドとその他すべての諸預言者の間には違いがあります。ムハンマド以前において、諸預言者は特定の地域・時代の特定の民族に遣わされていました。しかしムハンマドは最終預言者であることから、全人類にその教えがもたらされたのです。
神はクルアーンのなかで、預言者ムハンマドを遣わしたのは人類への慈悲のためだけであると述べています。“われは只万有への慈悲として、あなたを遣わしただけである。”(クルアーン21:107)神は、ムハンマドがアラブ人だけのため、または男性だけのため、または7世紀の人々だけのために遣わされたのだとは述べていません。神は、預言者ムハンマドがそれ以前の預言者とは異なる存在であり、彼のメッセージが世界中に広まり、あらゆる時代と場所において適用されることを明確にしているのです。ムスリムは彼を愛し、尊敬し、従います。ムスリムの多くにとっては、敬愛する指導者である彼が誹謗や中傷の対象になることは心の痛むことです。
世界中の歴史を見ても、非ムスリムでさえ預言者ムハンマドに対しては多大なる敬意を払い、彼を宗教的・世俗的双方において影響力のある人物であると見なしています。マハトマ・ガンジーは彼について、「誓約に忠実で、友人・追従者らへの奉仕に熱心で、大胆かつ勇敢、かつ神そして自らの使命への完全なる信頼をしていた」と説明しています。預言者ムハンマドは人生の生活規範としてイスラームを説き、それに基づいた帝国を築き、倫理規定を定め、敬意・寛容・正義に着目した法体系を制定したのです。
預言者ムハンマドに、そのようなことを成し遂げさせた動機は一体何だったのでしょうか? 彼の優しく好意的な性格、または彼の親切心・寛大さ、あるいは人類全体と共感することの出来た彼の才能だったのでしょうか? ムハンマドは彼の人生における最後の23年間を、神を崇拝し、人類を尊重するよう教友・追従者たちに教えることに捧げました。預言者ムハンマドは、神によって彼に課された責任の重さをしっかりと認識していました。彼は神が規定した通りに教えを伝達することに留意し、追従者たちに対して、マリアの子であるイエスがそうされたように、自らを神格化をしないよう警告しました3。
ムスリムは預言者ムハンマドの崇拝をしません。ムスリムは、彼が人間であると理解しているからです。しかしながら、彼は誰よりも私たちの敬意と愛情に値します。預言者ムハンマドは、人を愛するあまり、彼らのことを懸念し涙を流したものでした。彼によるウンマへの心からの献身と深い愛情から、神はクルアーンにおいてこう述べています。
“今、使徒があなたがたにあなたがたの間から、やって来た。かれは、あなたがたの悩みごとに心を痛め、あなたがたのため、とても心配している。信者に対し優しく、また情深い。”(クルアーン9:128)
預言者ムハンマドは神を愛し、神に従うよう私たちに説いています。また彼はお互いに優しく接し合い、老人を尊重し、子供たちに世話を焼くよう教えています。彼は、物を貰うよりも与えるほうがより良いと説き、人の命はそのすべてに尊厳があると説いています。彼は自分自身を愛するように同胞を愛するよう説きましたし、家族と共同体の重要性、そして個人の権利は重要ながらも、安定した道徳的な社会はより重要であるとも説いています。また預言者ムハンマドの教えには、神の御前において男女は平等であり、人は神への信仰心と敬虔さ以外には他者よりも優れないのである、というものもあります。
預言者ムハンマドとはどういった人物だったのでしょう? 彼は審判の日、神の前に立ち、私たちへの慈悲のために神に懇願する人物なのです。つまり、彼は私たちのための執り成しをするのです。彼は神の使徒かつしもべであり、人類全体への慈悲であり、彼の親切さ、献身性は前例なきものであるため、ムスリムは彼を愛してやまないのです。
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