トーマス・ウェバー 英国出身の元キリスト教徒

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説明: 真理の探索者が、自らの宗教としてイスラームを見出します。

  • より トーマス・ウェバー
  • 掲載日時 28 Sep 2015
  • 編集日時 28 Sep 2015
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イスラーム改宗者の多くがそうであるように、私の改宗記も第三者からすればシンプルなものです。ある若者が、自分の家族の宗教とは異なる宗教を見つけ、やがて家族にそのことを告げ、改宗に至るというものです。

しかし、人生におけるその他の物事と同じように、最も困難と思えるのは旅路の最中ではなく、目的地に到達することなのです。もちろん、イスラームでは至高者アッラーによる定めでなければ旅は終りを迎えませんが、旅路の中で色々な出来事が起きます。それでは、現在までの私の人生の物語、そして未来への希望と熱望についてお話したいと思います。

私は英国で生まれ、家族には愛情にあふれた2人の両親、1人の兄(コリン)、私の双子の姉妹(リンダ)、そしてそれに続く2人の妹(上のメリッサは私が幼い頃に死んでしまい、下は末っ娘のエミリーです)がいます。

父は反対意見を述べることのできない赤ん坊に対してそうすることに反対だったため、私に洗礼の儀式を受けさせませんでした。ただ、母はキリスト教を学ばせるため、私たちを日曜学校に入学させました。

そのことについてはどう書けばいいのか迷ってしまいます。母にとって、私は物心がつくのがあいにく早かったようで、その結果なぜ慈愛深き全能なる神が私たちの罪を赦すために自らの息子を殺さなければならないのか全く理解できませんでした。

神が全能であるなら、たとえどのような罪であれ、それらすべてを赦すことができなければどう考えてもおかしいのです。自らの子を殺すということは、慈愛深き神がするようなことではないはずです。

時間の経過と共に、私は神について教えられてきたことを考慮しないようになりました。宗教的な祝祭日は、プレゼントの交換や休暇のための時間となりました。私は迷い去っていましたが、そのことにも気付いていませんでした。結局宗教者たちは、私たちが学校で学んだ科学のように自分たちの宗教を証明することは決してできなかったのです。私にとって、彼らは頭の弱い愚か者に過ぎませんでした。

その後も私は学校で良い成績を修め続け、両親もそれに喜び、すべては順調でした。13歳の誕生日を迎えるまでは、私は宗教に興味を持つことはありませんでした。

宗教に興味を持つと言っても、実践的なキリスト教徒になったという訳ではありません。それは決して起き得ないことです。しかし、何らかの形の神に、人生で成功を収めることのできるよう、そして欲しいものが手に入るよう祈り始めました。それはどちらかと言うと、自分の力ではどうすることもできないことに対しての信託のようなものでした。

学年が上がってくると、私は様々な宗教について学び始めました。神というものが存在せず、自己を高めることがすべてである仏教は良い宗教に見えましたが、それは結局私がキリスト教で学んだことと同じでした。

私はあらゆる宗教の目的はひとつであり、それはすなわち人をより倫理的にすることなのではないかと考え始めました。私は自分をより良い人間へ高めようと試み続けましたが、何かが不足している感が否めませんでした。

高校を卒業するおよそ1年前、兄がキリスト教の信仰を新たにしました。ただし、彼は私の改宗を執拗に迫ってきたため、それは私にとってはいくぶん辛い経験でした。私は依然として、イエス(神の慈悲と祝福あれ)が私たちの罪を赦すために殺されたということを受け入れることができませんでした。

それゆえ、家族や友人たちとのさらなる議論を避けるため、また周囲から変わり者という烙印を押されること(私自身、兄へのそうした冷酷な仕打ちに加わったことを非常に後悔しています)を避けるため、宗教に傾斜する兆候を隠しました。

私の魂の探求は、その後のおよそ1年間に渡り自ら抑制され、包み隠されました。そして米国で、世界貿易センタービルへのテロ攻撃が発生しました。そのことを最初に聞いたとき、そんなことが起きることなどあり得ないと思っていましたが、実際にそれは起きたのです。

それについての報道は絶え間なく行われましたが、私個人とは関わりのないことだったので、ただ単に私はいつもの生活に戻りました。イスラームのテロリストやムスリムたちへの報復行為に関する報道、そしてアフガニスタン、後にイラクへの侵略が行われてから、私は自国と米国の政府について疑問を抱くようになりました。このことは、私が最終的にイスラームの真実を見い出すことにつながりました。

私は単純に、ムスリムたちが憎悪を抱いたり殺人を行うテロリストであることが信じられませんでした。それはただただ奇怪に映りました。それゆえ私はそれらを無視したのですが、ひょっとするとそのとき、私の心が初めて本当にイスラーム宗教について学んでみようという気になったのかも知れません。

それは大学予備校の1年目に、ムスリムの友人ができるまで起きませんでした。当初は彼女があまりにも寡黙だったため、自分の友人になるとは思っても見ませんでした。その友人を通して、ムスリムたちは狂人や変人などではなく、普通の人間であるという明白な証拠をつかんだのです。

やがて、私は周りに誰もいないときにインターネットでイスラームに関して検索し始めました。その時はまだ宗教、特にイスラームについて考察していることを人に知られたくはなかったのです。私は自分が目にしていることを信じ始めましたが、まだ少し混乱しており、私の理解も追いついていませんでした。

やがて夏休みになると、ほぼイスラームが真実であると思うようになっていました。私はそれが真理であると信じたかったのですが、それを確信することができませんでした。幼少の頃から良い成績を修め続け、両親たちの目に自分が完璧に映ることを求めてきたので、間違えているかもしれないという可能性が耐えられませんでした。

ムスリムの友人には聞きたいことがとても沢山あったのですが、夏休みだったため容易に会うことができませんでした。たまに電話で数時間に渡って話し込みましたが、改宗の助け船が欲しいということを打ち明ける勇気を出すのに時間がかかりました。

イスラームという宗教について混乱していることを説明する勇気をようやく振り絞ったものの、ムスリムになりたいなどとは決して言い出せませんでした。それが自分自身でも非常に恐れていた、気まぐれな思いつきではないという確証が持てなかったからです。しかしながら、それでも彼女にそのことを打ち明けると、彼女からの反応は良いものでした。

私は自分がムスリムになる決心がつきましたが、そのことを公にし、より多くの知識を得る勇気が必要でした。兄がキリスト教徒になって以来の私自身と姉妹たちによる冷酷な仕打ちを覚えていたため、家族にはまだ打ち明けることができませんでした。私はそれと同じものか、より酷い仕打ちを受けることを恐れていました。

兄は、結局は彼自身が育った環境と国家の宗教に従ったのであり、私の場合は完全に状況が異なります。それ以降、私の旅路は最も大きな困難に直面しました。家族に知れ渡ることを怖れて誰にも告げられないのであれば、どのようにさらなる知識を得ることができるのでしょうか。そういうこともあり、私は長い時間をかけて、徐々に友人たちや家族に打ち明けていきました。

日時を決めなければいつまで経っても実現しないことが分かっていたので、私は20歳の誕生日にシャハーダ(信仰証言)をすることに決めました。その直前の週末にロンドンで開かれていた世界平和・統一会議に出席し、非常に有意義な時間を過ごしました。その週末明けの月曜日に信仰証言をするのだと意気込んでいましたが、土曜に友人の家で過ごすまでは、月曜にシャハーダをする実感が湧いてきませんでした。

なぜかというとその日の夜、眠りにつこうと横たわっていたとき、アザーンが私の頭に鳴り響いたのです。それは最も素晴らしい体験でした。翌日、私は人々がシャハーダをしているのを目にし、月曜に自分の番が来るのを待ち焦がれました。ようやく月曜日になり、自分がシャハーダを口にすると、非常におかしな感覚にとらわれました。私はようやく自分が本当の自分になった気がしたのです。

良い物語には起承転結がつきものですが、この物語に関してはまだ終わりがないため、もうちょっとお待ち頂かなければなりません。私はまだクルアーンとハディースを始めとして、多くの事について学ばなければならないのですから。

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