食事作法(後編):食事の後

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説明: 神のご満悦につながる事柄について。

  • より アーイシャ・ステイシー
  • 掲載日時 18 Nov 2013
  • 編集日時 18 Nov 2013
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ムスリムはいかなる行動に際しても、神の御名に言及します。それは、「ビスミッラー(神の御名のもとに)」という言葉で、人生を変えるような瞬間であれ、手洗いや食事のような日常生活のありふれた行為であれ、それによって神の祝福を求めます。そしてムスリムが食事を終えたときに言う最初の言葉は、神への称賛と感謝なのです。それは「アルハムドゥリッラー(すべての称賛は神にあり」という言葉で、神がすべてを供給する御方として感謝するという意味です。食事の量が多かろうと少なかろうと、私たちは神に感謝し、かれを讃えるのです。

“地上の凡ての生きもので、その御恵みをアッラーからいただいていない者はない。”(クルアーン11:6)

食物は日常生活における重要なものであり、それは私たちの活力を維持します。私たちはそれを得、調理し、食べることに非常に多くの時間を費やします。神は一部の人々にはそれを多く与え、他方には非常に少量を与えます。この理由は私たちの理解を超えますが、私たちの環境は試練の一部であるということが分かっています。それは名誉や恥辱を示すものではありません。神は、誰が忍耐強くあり、またかれのもたらす祝福に対して感謝するのかを見極めるため、私たちを試練にかけられます。ムスリムは、一握りの食物であれ、晩餐会で振舞われるような多量の食事であれ、同じように感謝すべきであることを知っています。

預言者ムハンマドの慣習には、食後に神を称賛し、祈願の言葉を唱えることが含まれます。預言者ムハンマド(神の慈悲と祝福あれ)はこう言ったものです。「神に称賛あれ。良き祝福に満ちた称賛あれ。私たちの今食べたものは、私たちに不死をもたらしませんし、この食事が私たちの最後のものとなる(程の滋養をもたらし、食事を取らずとも済むようになる)訳でもありません(が、あなたの恩寵は常に私たちに降り注がれているのです)。主よ、私たちはあなたの恩寵なしでいることも、それから切り離されることも出来ないのです。」1また、彼はこのように言うこともありました。「神よ、私たちのためにそれを祝福し、それよりも良きものを私たちにお与えください。」2また、預言者ムハンマドは、こう述べています。「神は、かれのしもべが何かを食べたことによってかれを讃えること、あるいは何かを飲んだことによってかれを讃えることを好まれる。」3そして、それこそは真の信仰者が目標とすべき、神のご満悦を得るということなのです。

清潔さは信仰の一部

イスラームは清潔さを大きく強調します。礼拝は、身体が清められた状態でなければ行ってはならず、預言者ムハンマドの伝承には、心と身体の双方を清潔に保つための助言が含まれます。イスラームは人生の包括的な生活規範であり、神はクルアーンの中でこのように述べられています。

“誠にアッラーは、悔悟して不断に(かれに)帰る者を愛でられ、また純潔の者を愛される。”(クルアーン2:222)

このことからも、食後には両手を洗い、口をゆすぎ、可能であれば歯磨きをすることが重要視されるのです。

預言者ムハンマドは、私たちが儀礼的に清浄な状態であるかどうかに関わらず、食事の前後に手洗いをするよう忠告しています。水洗いで済ませることは許容されますが、イスラーム学者たちは石鹸や洗浄液を用いることが好ましいとしています。また、食後には口をゆすぐことが推奨されます。預言者ムハンマドがアッサフバという地域にいたとき、食事として麦粥しか見いだすことが出来なかったにも関わらず、食後には教友たちと口をゆすいでいます4

イスラームは口の清潔さにも重要性を置き、預言者ムハンマドは1400年以上も前、歯を清潔に保つことの重要性を教友たちに説いているのです。彼は、ミスワーク、またはスィワークと呼ばれる天然歯ブラシの使用を薦めています。それは歯をきれいにするミネラル分を持ち、歯周病を予防し、バクテリアを殺し、息を爽やかにする成分を持つ小枝です。預言者ムハンマドはこう言っています。「スィワークを使いなさい。それは口を浄化し、主をご満悦させるものです。」「私のウンマ(国家)にとってそれが重荷となる恐れがなかったなら、私は各礼拝前にスィワークの使用を命じていたでしょう。」5

良い助言は慈悲である

預言者ムハンマドは、慈悲として世界に遣わされました。彼は神の唯一の宗教を完成させるため、そしていかに神をご満悦させるような崇拝をすることが出来るかという、実践的手法を私たちに示しています。

“かれはあなたがたのため、善いことの聞き手である、かれはアッラーを信仰し、信者たちを信頼する。またあなたがたの中の信仰する者のためには(アッラーからの)慈悲である。”(クルアーン9:61)

食事作法に関する彼の助言は、彼の指針の中でも重要な位置を占めます。食事作法は、食事の前後と最中の行為が関わりますが、預言者ムハンマドは水の飲み方についても教えています。彼は水を一気に飲み干すのではなく、3呼吸に分けて飲むよう忠告しています。また飲む際には、唾液で水を汚さないよう、容器に息を吹き入れないように注意しています6。正しい作法は、イスラームという宗教における重要な部分なのです。

イスラームの信仰とは切り離せない、良き倫理と作法について読むことによって、イスラームは完全な人生規範であること、そしてムスリムの行うすべての行為は神をご満悦させ、報奨を得る機会であることを学ぶことが出来るはずです。飲食のようなありふれた日常的行為であっても、神への崇拝の機会であると見なされているため、飲食行為は、クルアーンにおける神の御言葉、そして預言者ムハンマドの伝承において、昇華したものとなったのです。



Footnotes:

1 サヒーフ・ブハーリー

2 ティルミズィー

3 サヒーフ・ムスリム

4 サヒーフ・ブハーリー

5 サヒーフ・ブハーリー、サヒーフ・ムスリム

6 サヒーフ・ブハーリー

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