預言者ムハンマドの婚姻(後編):質素な人生
- より IslamReligion.com
- 掲載日時 05 Mar 2012
- 編集日時 05 Mar 2012
- プリント数: 129
- 観覧数: 14,244 (日平均: 3)
- 評価者: 0
- メール数: 0
- コメント日時: 0
第四のステージ
ヒジュラ暦8年にマッカを征服した後、戦争の大部分は終結していました。この後、預言者ムハンマドは新たに婚姻を交わしてはいません。このことからも、預言者は不安定で戦争が続く時期だけ、子どもと妻を守るため、そしてイスラーム国家を拡大し安定させるために妻を迎えたということが分かるでしょう。
預言者ムハンマドのモラルに沿った生き方は彼の敵も証言していますし、このことはクルアーンの中でも、神が預言者の中傷者たちに、彼になにかモラルを欠く部分があるか、雄弁に尋ねている部分でも述べられています。神は預言者ムハンマドにこう言いました。
“「…(こう言いなさい。)わたしは確かにあなたがたの間で、一生ほどの歳月を過ごした。あなたがたは未だ悟らないのか?」”(クルアーン10:16)
誰も彼の性格に、けちをつけられるような欠点を見つけることはできませんでした。しかし何の証拠もなしに彼のことを詐欺師だとか、クルアーンの筆者などとする主張がありましたが、もし本当にそうだったのであれば、彼は神の預言者であるという証拠のためにモラルのある生活を送ったりしたでしょうか?
彼の質素な生活
多くの婚姻を交わしたマディーナでの彼の生活は、決して贅沢で快適なものではありませんでした。現実には、彼は多くの死に直面し、多神教徒たちの闘いに追われた厳しい状況にありました。マディーナの入り口には多くの戦隊がムスリムを滅ぼすために待ち構えており、アラビア半島のほとんどの部族が彼の敵でした。戦闘は休みなく行われ、勝利の余韻に浸る時間も、敗北の悲しみにくれる暇もありませんでした。また責任者として、自分の欲望に浸っている時間などもありませんでした。欲望に狩られた普通の男性でさえ、このような時には自らの欲望に浸ることなどできないでしょう。
孤児であった預言者は最終的にアラビア半島の統治者となりますが、彼の質素な生活を変えることはありませんでした。彼は同じように質素な食生活を送り、若い頃に着ていた質素な衣類、またはそれよりもっと祖末なものを身にまとっていました。彼の寝室の家具はヤシの木の葉でつくられた寝床で、固さのためにしばしば彼の体に跡を残すようなもので、彼に近しい教友がこう尋ねたほどでした。
「ああ、神の預言者様。ペルシアの王達は金銀の器で飲み物を飲むのに、あなたはこのような生活を送るのですか?」(アフマド)
彼はよく食事すらままならない日々を送っていましたし、彼の家から食べ物の支度をする火がおこされない日々が何日も続きました。このような時に彼は、ナツメヤシと水だけで家族と過ごしていました。彼の手元に公共の財産があったにも関わらず、です。彼の教友たちの中には裕福な者もいましたし、彼らは預言者のためなら何でも犠牲にしたでしょうから、もし彼が望んだならば快適な生活を送ることも出来たでしょう。しかし、預言者としてのふるまいとして神に命じられたように、彼は自分自身と家族の為に、貧しい人に集められたお金を使うことはありませんでした。貧しいときにも豊かなときにも、人生の快楽に身を投じるような人ではなかったのです。
夜
預言者ムハンマドは多くの妻を娶りましたが、彼は夫婦間での楽しみだけで夜を過ごすことはありませんでした。預言者は神からこう命じられていたのです。
“夜間に(礼拝に)立て,少時を除いて。夜間の半分,またそれよりも少し縮めて(礼拝に立て),あるいは,それよりも少し多く礼拝に(立て),そしてゆっくりと慎重な調子で,クルアーンを読め。”(クルアーン73:2〜4)
彼の妻たちは、彼の足が礼拝で立ち続けるために腫れてしまっていたと説明しています。彼の習慣的な礼拝は、快楽のために捧げられた人生には属さないものです。
彼の妻たちの質素な生活
マディーナに来たあと、交易が繁栄し、イスラーム教徒の生活は変わりました。征服された各地から様々な物品が提供され始め、預言者の妻たちは自然と、与えられるべき快適な生活を求め始めました。しかし神はこう啓示しました。
“預言者よ,あなたの妻たちに言ってやるがいい。「もしあなたがたが,現世の生活とその煌びやかさを望むなら来るがいい。わたしは贈り物を与えて,立派に別れよう。だがあなたがたたがもしアッラーとその預言者,そして来世の住まいを求めるならば,あなたがたの中で善行に動しむ者には,アッラーは偉大な報奨を準備して下さっている。”(クルアーン33:28、29)
妻たち全員が他の選択肢を与えられましたが、誰もより心地よい生活のために預言者のもとから去ることはありませんでした。もし彼女たちが彼を詐欺師だと思ったり、彼の性格に少しでも欠点を見つけていたら、彼のもとを去っていたでしょう。しかしそのようなことをする者はなく、全員が彼の妻であるという栄誉を選びました。もし彼が快楽に溺れた人であったなら、妻たちの願いを聞き入れ、彼女たちが世の快楽に少しでも傾倒していたならば、全員と離婚していたでしょう。
コメントを付ける