なぜ神は創造したのか(中):神による慈悲と正義

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説明: なぜ神は創造をしたのかという根本的質問に対する答え。第二部:創造における、神の慈悲と正義の現れ。

  • より Dr. ビラール・フィリップス
  • 掲載日時 13 Apr 2015
  • 編集日時 13 Apr 2015
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慈悲深く寛大なる御方

Why_Did_God_Create_(part_2_of_3)_001.jpg人類の創造において、神による優しさ、寛大さ、そして赦し深い特質は顕著に現れています。人間は善悪を本能的に見分けることのできる、善良で純粋な性質とともに創造されました。全能者はまた、人間の中に欲望を創り、神の法によってそれを自制するか、欲望のまま盲目的に生きるかを任されました。そして神は人間を創ったとき、彼らが神に反抗することを知っていました。また神はまずアダムを通してどのように悔悟するか、そして罪を浄化すべきなのかを人類全体に教えました。アダムとイブは、いかに人類がそうした例に従うべきなのかを象徴しています。彼らは欲望によって神の戒律を忘れたため、サタンにつけ込む隙を与えてしまいました。彼らは神に反抗した後、神に立ち返って悔悟したため、神は彼らをお赦しになりました。人類による神への反抗と悔悟において、神の完全なる情け深さと無限の慈悲は顕著に現れています。最後の預言者(神の慈悲と祝福あれ)は、その追従者たちにこう述べてその事実を伝えています。

“もしあなたが罪を犯さずして神に立ち返り、かれの赦しを嘆願したのであったなら、かれは罪を犯し、神の赦しを嘆願する別の人物とあなたとを取り替えたであろう。”(サヒーフ・ムスリム)

最終啓示書においては、ただ一章だけを除いて、その114章の全てにおいて「慈悲あまねく慈愛深き神の御名において」という祈りで始まります。それは慈悲と慈愛という神の特質が強調され、人間が絶望に陥らないよう助長します。人間の罪がいかに大きくとも、真摯な悔悟をもって神に立ち返るのであれば、神は人をお赦しになります。神の使徒はこのように述べたと伝えられています。

“神が宇宙を創造したとき、神はご自身が保存される書物のなかで、次のことをご自身に義務として課されたのである。「わが慈悲はわが怒りに勝る」”(サヒーフ・ブハーリー)

また、彼はこのように述べたと伝えられています。

“(神は)慈悲を100もの部分と(して創造)し、その中の1つがジン、人間、そしてその他の動物に下された。この1つによって彼らはお互いを愛しあい、親切にし、さらには動物たちさえ子孫に思いやりを示すのである。神は残りの99の部分を審判の日、かれの真の崇拝者たちのために差し控えているのである。”(サヒーフ・ムスリム)

神はお望みであれば、人間を罪を犯すことのない天使のように創造することも出来たのです。しかし、かれは既に天使を創造しているため、それはかれの御意ではありませんでした。人間は過ちを犯すよう創られており、そうした間違いを認めて神の赦しを嘆願するのであれば、神の慈悲と赦しといった特質が顕著に現れるのです。

至上の正義

この世の最後に行われる審判において、神の至上の正義、公正さという特質も同様に顕著となります。その無限の知識から、神は創造を行う前にあらゆる人間を地上に住ませることなく天国と地獄に振り分けることもできました。神は創造をする前から、彼ら人間が現世においてどのような選択を取るか、またどれ程の供給と機会を与えるのか、そして彼らが信仰と不信仰のどちらの状態で死ぬのかといったことをすべてご存知です。それゆえ、ある意味では一部の人々が天国あるいは地獄のために創造されたということもできるのです。預言者ムハンマドの妻アーイシャは、預言者が次のように述べたと伝えています。

“あなたは神が天国と地獄をお創りになり、それぞれの居住者も創造されたということを知らないのか?”(アブー・ダーウード、アン=ナサーイー)

もしも神が、天国が宿命付けられた人々を直ちに天国に送ったのであれば、彼らは神の決定について問いただしたりはしないでしょう。天国の人々は至福に満ちた永久の生命を喜んで受け入れ、地獄に入れられなかったことに感謝するでしょう。しかし、直ちに地獄に入れられた人であれば、それはなぜなのかと問いただすはずです。彼らは自分たちが地上で働くことになったであろう不正については全く無知であるため、それが不公平であると感じるのです。地獄の人々は、彼らに地上で暮らす機会が与えられたのであれば、信仰しつつ善行に励むであろうと必死に訴えかけるはずです。それゆえ、神は人間が地上で生きている間、各々に選択肢を与えることにより、地獄に入れられる者たちすべてが自ら地獄を選んだことをはっきりさせるのです。彼らは皆、その人生において神の慈悲を認識しながらも、神のしるしと導きを拒否した罪を問われます。そして彼らは神の審判が公正であり、文句のつけようがないことを認めます。しかしながら、それでも彼らはこの世界に戻り、善行を積む機会を与えてくれるよう請い願うのです。神はクルアーンにおいてこのように述べています。

“罪を犯した者たちが主の御前に項垂れて、「主よ、わたしたちは見ました。聞きました。わたしたちを御返し下さい。わたしたちは善い行いをいたします。わたしたちは本当に悟りました。」(と言う姿を)あなたに見せてやりたいものである。”(クルアーン32:12)

しかし、たとえ神が彼らを再び現世に送り返したとしても、彼らは地獄で見たものをすぐさま忘れ、悪を選んで再び地獄に戻らされることになるのです。神はこのことについてクルアーンでこう述べます。

“それでかれらが仮令(再び)戻されても、かれらは必ず禁じられたことを繰り返すであろう。かれらは本当に虚言の徒である。”(クルアーン6:28)

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