ムハンマドの預言者性(2/3):彼の主張は正しかったのか

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説明: ムハンマドが真の預言者であるということの証明。第2部:ムハンマドは嘘つきだったという主張の検証。

  • より IslamReligion.com
  • 掲載日時 06 Dec 2009
  • 編集日時 21 Oct 2010
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彼による主張の論理的分析

前回検証されたように、ムハンマドは‘私は神の使徒である’と主張しました。この主張は真実であったか、または嘘であったかのどちらかということになります。今回は後者を事実と仮定し、過去と現在の懐疑論者によって提唱されているあらゆる可能性を模索し、それらの誤解を検証します。それら全ての可能性が消えて、初めて彼の主張は正しかったのであると結論付けることが出来るでしょう。同時にこの件に関してクルアーンがどのように述べているかも見て行きます。

彼は嘘つきだったのか?

一人の嘘つきが23年間に渡り揺るぎない信念を持ち、自分自身がアブラハム、モーゼ、イエスのような預言者であり、彼以降に預言者は現れず、彼に下された啓示は終末まで手が加えられない奇跡であると主張することは可能でしょうか?

嘘つきとは、親しい友人や家族の一員に対してなどにおいて、往々にして失敗を犯すものです。20年以上に渡って伝えられた彼の教えは時には矛盾したでしょう。しかし現実に私たちが目にするのは、矛盾した内容とは無縁な啓典、そして彼の使命において首尾一貫した教えなのです。彼は戦いの最中でさえ、自らの預言者性を宣言しています。1

また彼の伝記は残っており、誰もが容易に手にすることが出来ます。イスラーム以前の彼は、決して嘘をつかない、誠実で信頼の置ける人物として、人々の間で良く知られていました。2この理由により、彼は“アル=アミーン(正直者)と呼ばれていました。彼は断固として虚偽に反対し、それに対して戒めました。どんな嘘をもつかなかったことで知られたこのような人物が、彼自身を社会的迫害に追い込むであろうような大がかりな嘘を23年間にも渡って続けることが可能でしょうか?これは単純に嘘つきの心理からかけ離れています。

もしも、嘘をついてまで預言者を名乗る理由があったのであれば、その理由は以下の二つのうちのどれかでしょう。

1)名誉、栄光、富、そして地位。

2)道徳の発展。

もし誰かが、ムハンマドが預言者を名乗った理由は名誉、栄光、富や地位のためであったと主張するのなら、実際に起きたのはその正反対であることが分かります。ムハンマドは自分が預言者であると宣言する前は、あらゆる側面において高い地位に恵まれていました。彼は最も高貴な部族の中の最も高名な家柄の出身であり、誠実さで知られていました。またその「預言者」宣言の後、彼は社会的な追放処分に遭いました。彼と彼の追従者たちは、マッカで13年間に渡り、一部の追従者たちを死に追いやった苦しい拷問や、嘲り、制裁などを蒙ったのです。

当時の社会では、主に勇敢さや詩など名誉を得るための他の方法が沢山ありました。後に説明するように、もしムハンマドがクルアーンを自身の著作としたのであれば、それだけでも彼の名前と詩は金で彫り込まれ、カアバ聖殿の中に永久に掲げ上げられ、世界中の人々は彼を祀りあげたことでしょう。しかし彼は、自分は啓示の著者ではないとし、それが天高くにいる御方から下されたものであると言い、そうすることによって彼の時代から私たちの時代まで嘲笑されることになるのです。

預言者は裕福な女商人の夫でもあり、当時の水準では快適な生活を送っていたのです。しかし彼が預言者であると主張した後は、最も貧しい者の一人となったのです。彼は何日間も家の暖炉に火をつけることすら出来ず、ある時には空腹のあまり、施しを期待してモスクまで出向く程でした。マッカの支配者たちは彼に対し、その教えの破棄と引き換えに巨万の富を約束しました。彼らの取引に対し、彼はクルアーンを朗誦しました。以下はこれらの節の一部です。

“本当に、「私たちの主は、アッラーであられる。」と言って、その後正しくしっかりと立つ者、彼らには、(次から次に)天使が下り、「恐れてはならない。また憂いてはならない。あなた方に約束されている楽園への吉報を受け取りなさい。(と言うのである)。われは現世の生活においても、また来世においても、あなた方の友である。そこではあなた方の魂は望むものを得、そこではあなた方の求めるものが得られる。寛容にして慈悲深い御方からの歓待である。」人々をアッラーの御許に呼び、善行をなし、「本当に私は、ムスリムです。」と言う者程美しい言葉を語る者があろうか。善と悪とは同じではない。(人が悪をしかけても)一層善行で悪を追い払え。そうすれば、互いの間に敵意ある者でも、親しい友のようになる。だがよく耐え忍ぶ者たちの外には、それは成し遂げられないであろう。格別幸運な者たちの他には、それを成し遂げられないのである。”(クルアーン41:30−35)

またもしムハンマドが荒廃した社会の道徳・宗教改革をもたらすために預言者を名乗ったのであれば、その可能性を検証すること自体、無益なことです。いかにして人は嘘を基盤とした道徳改革をもたらすことが出来るでしょうか。もしムハンマドが高潔な道徳と唯一神崇拝の支持と布教に極めて熱心であったのなら、自分自身に嘘をついてまでそうすることが出来たでしょうか?もしそれが不可能であると言えば、彼は真実を語っていたということが唯一の答えとなります。他の唯一の可能性としては、彼が狂人だったということになります。



Footnotes:

1 サヒーフ・アル=ブハーリー

2 ‘Muhammad: His Life Based on the Earliest Sources’ マーティン・リングス、34

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