近代歴史学的方法論VS.ハディース方法論(5/5):ハディースの格付け 後半

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説明: 伝承者経路の信頼性に基づいた、様々なハディースの種類について(後半)。

  • より リーム・アッザー?
  • 掲載日時 12 Sep 2011
  • 編集日時 12 Sep 2011
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第五の項目に基づき、ハディースはイスナードとマトンの性質によって格付けされることもあります。アッ=シャーフィイーによると、信頼のおける人物から報告されたハディースが、彼よりも信頼のおける人物の供述とかみ合わない場合、そのハディースはシャーッズ(不規則なもの)であるとされます。イブン・ハジャルによれば、信頼性の乏しい報告者が真正ハディースに矛盾すると、そのハディースはムンカル(非難されるもの)であるとされますが、一部の学者たちは信頼性の乏しい報告者を含むハディースはどれもムンカルであると格付けします。また、本文が預言者による一般的な発言と矛盾したものであった場合にも、ムンカルの格付けがされます。もしも信頼のおける人物から報告されたハディースに、他の信頼性のある典拠では報告されていない追加の情報がある場合、その追加はそれらに矛盾しない限りは認められ、追加のことはズィヤーダトゥ・スィカ(信頼のおける者からの追加)として知られます。しかし、報告者が報告しているハディースに何かしらを追加した場合、そのハディースはムドラジ(改変されたもの)と格付けされます。これがハディースの中で起きるのは通常、本文中の難しい言葉を説明する際です。これがイスナードの中で起きるのは、ほんの僅かな例です。つまり報告者がイスナードの一部を抜き取り、別のイスナードに挿入することです。意図的なイドラージ(改変)を行うことで知られる報告者は、一般的に嘘つきと見なされますが、難しい言葉を説明するためにそれを行う報告者たちに関しては、学者たちは許容の姿勢を示しています(Hasan 37-39)。

第六の項目においては、ハディースのイスナード及びマトンにおいて隠れた欠陥のあるものが、マアルールもしくはムアッラル(欠陥のあるもの)として格付けされます。これは、ハディースが実際にはムルサルであるのにムスナドであると格付けされてしまった場合、または実際には違う人物であるのに、ハディースを特定の教友に帰属させた場合などの原因が考えられます。そういった欠陥を発見するためには、ハディースにおけるすべてのイスナードが収集され、調査されなければなりません。以下はその例です:

“一部の学者らは、どの後継者がどの教友からハディースを聞いたのかという書を著しています。この情報から、アル=ハサン・アル=バスリーがアリーに会ったことはなかったということが認知されます。しかしながら、彼の幼少時代に両者がマディーナで会ったかも知れないと、いう可能性は僅かながら存在します。このことは、アル=ハサン・アル=バスリーがアリーから直接報告したと言われている多くのスーフィー伝承において、極めて重要なことです。”(Hasan 42-43)

イスナード、または本文において疑念のある場合は、そのハディースはムッタリブ(不安定なもの)という格付けがされます。これは報告者たちがイスナードまたは本文のある部分に関して一致せず、いかなる確定した見解も発生しない場合です。イスナードにおける名前が逆になっている場合(たとえばカアブ・ブン・ムッラがムッラ・ブン・カアブになっているとき)、または本文における文章の順序が逆になっている場合、そのハディースはマクルーブ(変更された、または逆になった)と格付けされます(Azami 66)。これは本文に実際とは異なるイスナードが与えられている場合かその逆の場合、または報告者の名前が別の人物の名前にすり替わっている場合なども同様です(Hasan 41-42)。

本稿における最後の、第七の項目は、報告者の素質によって格付けされるものです。ハディースの評価はこれによって決定的に委ねられます。アーディル、ハーフィズ、サービト、またはスィカとして知られる者たちによって報告されたハディースは、最も段階の高いハディースであり、サヒーフ(真正)として格付けされます。誰かがアーディルと見なされるためには、敬虔なムスリムであり、すべての行いにおいて誠実かつ正直者として振舞わなければなりません。様々な伝達者たちの間において、ハディースの本文に見いだせる口頭による合意についての慎重な比較を通して、誰が最も正確(サービト)だったか、または最も信頼に価したか(スィカ)、または最も記憶力が優れていたか(ハーフィズ)が指し示されます。学者の誰かがこれらの基準のうち、最低どれか一つを満たさなければ(そして非難されていなければ)、彼によって報告されたハディースは真正度のより低いもの、つまりハサン(良好)であるとされました。もしも報告者の記憶力が弱いことで知られていた、または不用心から間違いばかりを犯していたのであれば、彼によるハディースはダイーフ(弱いもの)であると判断されました(Burton 110-111)。

もちろん、ハディースの最終的な評価においてはその他の要素も関わってきますし、イブン・アッ=サラーフの言葉を借りると、“サヒーフのハディースとは、暗記力に信頼性のある報告者が同様の権威から伝えるイスナードが連結し、本文にはいかなる不規則性もなく、またイスナードにおいてもいかなる欠陥も見出されないもの”です。アッ=ティルミズィーによると、ハサンのハディースとは“シャーッズではないもので、イスナードにおいて非難に値する報告者が含まれていない、一つ以上の経路によって報告されたもの”(Hasan 44-46)とされます。ハサンのハディースとしての必要条件を満たせなかったものにはダイーフの格付けがされ、それは大抵の場合、イスナードにおける非連続性が原因です。もし報告者のうちの誰かが多くの過ちを犯していたり、不誠実だった場合など、何らかの理由によって悪い評判を持つ場合も、ダイーフであると格付けされます。欠陥が多く、それらが深刻な場合、ハディースはマウドゥーウ(捏造されたもの)と格付けされます。アッ=ザハビーによれば、マウドゥーウのハディースとは、預言者によって確立された模範基準に本文が背いている場合、またはイスナード中に嘘つきが含まれている場合です。また、ハディースに「特定の出来事における日程や時間に対し、外的証拠によって相違が発見された場合」(Hasan 49)にもマウドゥーウであると格付けがされます。

ここで既述された格付けは、存在する内のほんの一部に過ぎません。ハディース学問は非常に複雑であり、あたかも学者たちは考え得る全ての角度からのハディース分析を考え出したかのようです。このすべては異なる種類の伝承、特に真正のものと非真正のものとを識別するために生み出されたのです。

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