一夫多妻は誰が実践するのか(前半)
- より メリー・アリー
- 掲載日時 02 Feb 2015
- 編集日時 02 Feb 2015
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一夫多妻は、人類によって数千年に渡って実践され続けてきました。古代イスラエル人の多くは一夫多妻でしたし、一部では数百人もの妻が娶られていました。ソロモン王には700人の妻と、300人の妾がいたとされます。彼の父親であるダビデには99人おり、イスラエル部族の由来であるヤコブには4人がいました1。あるユダヤ教の賢者は、4人以上の妻を娶うべきではないという助言をしています。
娶ることの出来る妻の人数に制限をかけたり、彼女らがどういった処遇をされるべきかという条件を設ける社会は過去にありませんでした。イエス・キリストも一夫多妻に反対はしなかったことが分かっています。また17世紀までは、キリスト教会の一部宗派によっても一夫多妻が実践されていましたし、モルモン教徒(末日聖徒イエスキリスト教会)は米国において、現在も一夫多妻を実践しています。
一夫多妻はパウロの時代、キリスト教に多くの修正がなされていたときにキリスト教に導入されました。これは、当時において支配的だったギリシャ・ローマ文化に順応する形で組み込まれたものであり、そこでは一夫一婦制であったにも関わらず、多くの奴隷が所有され、男性たちによって好きなように利用されていました。言い換えるなら、彼らは無制限かつ奔放な一夫多妻を実践していたのです2。
初期キリスト教徒たちは、女性は「罪に満ち溢れた」存在であり、男性は「生涯独身」であることが望ましいという概念を生み出しました。これが実践されるのなら人類の終わりを意味するため、彼らは妥協して「一人だけ結婚」することに決めたのです。
米国社会において、夫婦関係が張り詰めると、たびたび夫は妻との性的関係を絶ちます。そして彼は正式な婚姻関係を結ぶことなく、売春婦や他の淫らな女性たちと同棲したりするのです。同様に、時には女性の方も夫を見捨て、新たなパートナーとの不道徳な関係の元に同棲したりする場合もあります。しかしながら、より一般的なのは結婚前に複数のパートナーとの相性を図ることを目的とされた、ふしだらな「同棲関係」の方でしょう。
欧米社会において、現実には3種類の一夫多妻制が存在します:
(1)連続性の一夫多妻。つまり結婚、離婚、結婚、離婚と幾度にも渡り繰り返すことです。
(2)一人の女性と結婚していながら、数人と愛人関係・援助交際の間柄を持つこと。
(3)独身男性が複数の恋人を持つこと。イスラームは(1)を大目に見ますが、(2)と(3)を禁じます。
戦争は、男性の数を女性の数よりも大幅に減少させます。一夫一婦制社会において、夫を失った女性たちは扶養を得ることが出来なくなり、売春や既婚男性との違法な関係に手を染め、結果的に父親によって責任の取られることのない私生児を設けたり、孤独な独身あるいは未亡人生活を送ったりすることになります。
一部の欧米人男性は、一夫一婦制は女性の権利を守るという立場を取ります。しかし、それらの男性たちは本当に女性の権利について考慮しているのでしょうか? 社会には女性を搾取し抑圧する多くの慣行があり、それらが女性の開放運動、20世紀初頭の婦人参政権運動、そして現在の男女平等運動を生み出しており、それは社会そして法における同権活動を依然として継続させているのです。
実際問題として、一夫一婦制は男性が無責任に「遊びまわる」ことが出来るよう、彼らを保護しているに過ぎないのです。簡易な避妊や合法的な妊娠中絶は、女性たちが不合法な性行為に至る扉を開き、彼女らのいわゆる「性の革命」におびき出しているのです。しかし、女性たちは依然として中絶のトラウマや、避妊による副作用に悩まされる側なのです。
性病、ヘルペス、エイズなどの伝染病は別として、男性は悩むことなく性的な奔放さを楽しみます。男性こそが一夫一婦制によって保護されており、女性は男性の欲望の犠牲者となります。男性が支配的な社会において一夫多妻制が断固として反対されているのは、それが男性に責任と貞節を守ることを強いるからです。それは、男性たちの一夫多妻的傾向の責任を取らせ、女性と子供たちを扶養し、保護するものなのです。
脚注:
1 For a detailed list of biblical figures who practiced polygamy, you may visit: (http://www.biblicalpolygamy.com/).
2 「古代において一夫多妻の形跡を全く、もしくは殆ど見せなかったほぼ唯一の民族は、ギリシャ・ローマ人たちでした。しかしながら、一夫多妻よりもより高度な制度(あるいは純粋な一夫一婦制に近いもの)と見なされていた妾の存在は、慣習として数世紀に渡り認識されており、それら2国家における法律においてもそうでした。」カトリック百科事典(http://www.newadvent.org/cathen/09693a.htm)
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