イスラームにおける女性(後半)

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説明: イスラームにおける女性の社会的、法的、政治的側面

  • より モスタファ・マレーカ
  • 掲載日時 11 Mar 2013
  • 編集日時 11 Mar 2013
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イスラームにおける社会的側面

A) 娘として

(1)クルアーンは、イスラーム以前にあった女児殺しの慣習を終わらせました。神はこう言いました。

“生き埋められていた(女児が)どんな罪で殺されたかと問われる時。”(クルアーン81章8−9節)

(2)クルアーンはまた、男児ではなく女児が産まれたときの両親の歓迎的ではない態度も叱責しています。神はこう言いました。

“かれらの1人に、女(児の出生)が知らされると、その顔は終日暗く、悲しみに沈む。かれが知らされたものが悪いために、(恥じて)人目を避ける。不面目を忍んでそれをかかえているか、それとも土の中にそれを埋めるか(を思い惑う)。ああ、かれらの判断こそ災いである。”(クルアーン16章58−59節)

(3)両親は娘に対して優しく支える義務があります。預言者ムハンマド(彼の上に神の慈悲と祝福あれ)はこう言っています。「誰であれ、二人の娘を成人するまで育てる者は、審判の日に私とこのような場所に来ます。(そして彼は指を指し示し、それらを一緒に合わせました。)」

(4)女性の将来を大きく決める成長に重要な側面は教育です。教育は権利であるだけでなく、男女両方の義務です。預言者ムハンマドはこう言いました。「知識を求めることは全イスラーム教徒の義務です。」イスラーム教徒とは、男女両方のことを指します。

(5)イスラームでは女性の割礼を義務ともしていないし、奨励もしていません。アフリカのある地域では行われていますが、同時にある地域のキリスト教徒も行っており、地域の慣習なのです。

B) 妻として

(1)イスラームにおける結婚とは相互の平和、愛、慈愛であって、性欲を満たすためだけのものではありません。クルアーンの中で最も感動的な節の一つにこのようなものがあります。

“またかれがあなたがた自身から,あなたがたのために配偶を創られたのは,かれの印の一つである。あなたがたはかの女らによって安らぎを得るよう(取り計らわれ),あなたがたの間に愛と情けの念を植え付けられる。本当にその中には,考え深い者への印がある。”(クルアーン30章21節。、また42章11節、2章228節参照)

(2)女性には結婚を受け入れたり断ったりする権利があります。イスラームの法の下では、女性は自らの意思とは関係無く結婚を強要させられてはいけません。

(3)夫は、家族に相談しながらも、家族の基本的なリーダーシップと維持、保護、そして親切にする責任があります。(クルアーン2章233節参照)相互的、そして補足的な夫婦の関係は、どちらかが一方に服従するという形では成り立ちません。預言者ムハンマドは女性に関してこう指示しました。「女性には優しくしなさい。」クルアーンではたとえ女性が役割を果たしそびれたり、妻に嫌気がさしたとしても、妻に親切にするように呼びかけています。

“出来るだけ仲良く,かの女らと暮しなさい。あなたがたが,かの女らを嫌っても(忍耐しなさい)。そのうち(嫌っている点)にアッラーからよいことを授かるであろう。”(クルアーン4章19節)

またイスラーム以前のアラビアの慣習であった、夫の子どもが、まるで寡婦となった後妻が夫の財産であったかのように、彼女を娶るという慣習(妻を遺産として取る)も違法とされました。(クルアーン4章19節)

(4)もし夫婦同士で亀裂が生じた場合、クルアーンでは夫婦間で公平に解決するように呼びかけています。まさにクルアーンが、夫婦間で生まれてしまう意見の食い違いを解決するための賢明な解決を示しているのです。もし夫婦間で解決できない場合には、両方の家族から仲介者を出すという形の解決策を提示しています。

(5)離婚は最終手段で、奨励されていませんが、許可されています。クルアーンでは幸福のために、信仰と両性の権利は大事にされています。結婚の解消は、両者の合意、男性側からによるもの、女性側からによるもの(それが女性の婚姻契約に関することである場合)、女性からの離婚の申し出を(正しい理由があるとして)判事が認めた場合、また理由がなくとも、女性が婚姻の際に受け取った贈り物を返還した場合に行われます。もし婚姻関係が続けられないと分かった場合にも、男性は結婚生活に穏便に終止符を打つべきだとされています。クルアーンには、そのことについてこう述べられています。

“あなたがたが妻を離婚して定められた期限が満了したならば,公平な待遇で同居させるか,または親切にして別れなさい。かの女を困らすために引きとめて,法を越えてはならない。そんなことをする者は,自分の魂を損う者である。愚弄して,アッラーの御告げを戯れごとにしてはならない。あなたがたに対するアッラーの恩恵を念い,またあなたがたに授けられた,あなたがたに勧告する啓典と英知を念え。アッラーを畏れなさい。アッラーは凡てのことを知り尽くされていることを知れ。”(クルアーン2章23節、また2章229節、33章49節)

(6)一夫多妻制は、西洋文学やメディアから、まるでイスラームが生み出した政策、またはイスラームといえば一夫多妻制であるかのような間違った情報が流されている問題の一つです。一夫多妻制はほとんど全ての国家で存在してきましたし、ユダヤ教やキリスト教でも近代以前まで認可されていました。イスラームでは他の人々や宗教がしたように、一夫多妻を禁じはしませんでしたが、制限を設けました。しなければいけないことではありませんが、条件を満たしていれば認められているのです。(クルアーン4章3節参照)法の精神として、天啓が与えられた時期も含めて、個人的、または全体的に時として起こりうる(戦時下で男女の比率が合わなくなるといった)緊急事態への解決策を与えたり、寡婦や孤児に対するモラルがあり実用的で人間的な解決策を与えているのです。

C) 母として

(1)クルアーンでは両親への親切(とくに母親)を神への崇拝の次としています。

“あなたの主は命じられる。かれの外何者をも崇拝してはならない。また両親に孝行しなさい。もし両親かまたそのどちらかが,あなたと一緒にいて老齢に達しても,かれらに「ちえっ」とか荒い言葉を使わず,親切な言葉で話しなさい。そして敬愛の情を込め,両親に対し謙虚に翼を低く垂れ(優しくし)て,「主よ,幼少の頃,わたしを愛育してくれたように,2人の上に御慈悲を御授け下さい。」と(折りを)言うがいい。”(クルアーン17章23〜24章。また31章14節、46章15節、29章8節参照)

(2)当然ながら預言者ムハンマドは、人間関係のなかで最も大事な母親への扱いについて、特別な指示を出しています。ある男性が預言者ムハンマドを訪ね、こう言いました。「神の預言者さま! 人々の中で、私が最も大事にすべき人はだれですか?」預言者はこう答えました。「あなたの母親です。」その男はこう言いました。「そして次は?」預言者はこう答えました。「そして次はあなたの母親です。」その男はこう言いました。「そして次は?」預言者はこう答えました。「そして次はあなたの母親です。」その男はまたこう言いました。そして次は?」預言者はこう答えました。「そしてあなたの父親です。」

D) 信仰における姉妹として(一般的に)

(1)預言者ムハンマドの教えによると「女性は男性のシャカーイク(男性のもう半分、または姉妹)です。」この教えは男女平等に関する非常に深い言葉です。もしこのアラビア語「シャカーイク」を男性のもう半分とするならば、男性は社会的役割として半分とするなら、女性はもう半分ということになります。もし姉妹とするならば、男女は同じということです。

(2)預言者ムハンマドは女性全体に対する親切と尊敬をを教えました。「女性には優しくしなさい。」この教えが彼が亡くなる前に行った最後の巡礼のときに出された指示である、ということは重要です。

(3)謙虚さと社会的ふれあい。女性と男性の(衣服やふるまいの)適切な謙虚さは天啓によって下された典拠(クルアーンや預言者の言行録)がもととなっています。信仰の男性と女性は正しい目的と神聖な知恵をもとにその教えに従います。それは男性中心であったり、社会中心の教えではないのです。興味深いことに、聖書でも、女性は頭を覆うように指示されています。「もし女性が頭を覆わないのであれば髪をそり落とすべきであり、それが恥ずかしいことならば、彼女は頭を覆うべきです。」(コリント人への手紙11章6節)

イスラームにおける女性の法的、政治的側面

(1)法の下での平等。両性は法と裁判所の下で平等です。公平さは両性に与えられたものです。(クルアーン5章38節、24章2節、5章45節参照)経済や他の側面で、女性は独立した法的権利を持っています。

(2)社会的、政治的活動への参加。社会的、政治的活動の基本理念は、男女の参加と協力です。(クルアーン9章71節参照)リーダーの選出、公的問題、法制作、政治的地位、教育や学術、また戦時下でさえ、イスラーム教徒の女性が活躍した歴史的記録は多くあります。このような参加は、両性が補足的役割を見失ったり、イスラームにおける謙虚の教えを破ることなくなされてきたのです。

結論

現代の非イスラーム教徒が手に入れた地位は、男性の親切や当然の進化として与えられたものではないのです。それは女性側の長い苦しみと犠牲により達成され、二つの大戦の中で、女性の力が必要とされ、テクノロジーが変化したことによって得られたものなのです。イスラームが女性に、慈悲的で敬意に値する地位を与えたのは、7世紀という時代柄でもなく、女性たちや彼女たちの組織からのプレッシャーでもなく、それが真実だからです。

これが示すのはクルアーンとイスラームの教えの神聖さと正しさであり、人間の哲学や概念とは違い、人間の環境からはかけ離れたものだということです。その慈悲的な理念を築いた教えは時代遅れになることもありません。智慧深く全てを知っている神の智慧と知識は、人間の考えや進化とはかけ離れて偉大なものなのです。

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