イスラーム第一の柱:信仰証言
説明: イスラーム第一の柱の紹介:ムスリムの信仰証言、つまり「神以外に崇拝に値する者はなく、ムハンマドは神の使徒である」というシャハーダを証言すること。そしてそこに潜む様々な意味の検証。
- より IslamReligion.com
- 掲載日時 06 Dec 2009
- 編集日時 21 Oct 2010
- プリント数: 423
- 観覧数: 32,736 (日平均: 6)
- 評価者: 131
- メール数: 0
- コメント日時: 0
イスラームを実践する全てのムスリムは‘信仰六箇条’を信じ、いわゆる‘五柱’を実践する義務があります。それらは以下の通りです:
1.信仰証言、またはシャハーダ。
2.礼拝、またはサラー。
3.義務の喜捨、またはザカー。
4.斎戒(断食)、またはサウム。
5.巡礼、またはハッジ。
▶第一の柱
信仰証言
シャハーダとはすなわちイスラーム信仰証言であり、‘五柱’の最初に来るものです。シャハーダとはアラビア語で‘証言’を意味し、その中では次の二事項を証言します:
a.神(アッラー)以外には何ものも崇拝には値しないこと。
b.ムハンマドが神(アッラー)の使徒であること。
ムスリムとは分かりやすく言えば、“神以外には崇拝に値するものはなく、ムハンマドは神の使徒である”と証言する人のことです。誰でもこの単純な宣言をすることにより、ムスリムとなります。
シャハーダはその意味に対する完全な理解と心からの同意を伴った状態で、ムスリムの人生において最低1回は口にされなければなりません。ムスリムは朝起床する際にも、そして就寝前にもこれを唱えます。また全てのモスクでは、一日五回の礼拝の呼びかけの際にこの言葉が繰り返されます。そして人生において最後に発する言葉がこのシャハーダであれば、その人は天国を約束されます。
イスラームに無知な多くの人々は、神を意味する「アッラー」という概念に関して誤解しています。旧約聖書のアラム語で神が“エル”とか“エロヒム”とか呼ばれるのと同様、「アッラー」とはアラビア語で神を正確に意味する名なのです。また、ユダヤ教ではその名が“ヤハウェ(YHWH)”であるのと同様、イスラームではアッラーという名で知られているのです。しかし“ヤハウェ”が字義的に“あられるお方”という意味であるのに対し、アラビア語のアッラーは“全ての崇拝に値する唯一、真実の神”という意味を持っています。ちなみにアラビア語を話すユダヤ教徒やキリスト教徒も、神のことをアッラーと呼んでいるのです。
a.神(アッラー)以外には何ものも崇拝には値しないこと。
信仰証言の前半では、神のみが心と体によって単独的に崇拝される権利があることを述べています。イスラームの教義では神以外の何ものかが崇拝されることが許されないばかりでなく、神と並べて何ものかを崇拝することも許されません。神には崇拝される仲間や協力者がいないのです。崇拝はその包括的意味とその全側面において、神のみに捧げられるべきなのです。神が崇拝される権利とは、イスラームの信仰証言であるラー・イラーハ・イッラッラーの本質的意味でもあります。人は、神が崇拝される権利を証言することによってムスリムになるのです。これはイスラームにおける神の信仰、そしてイスラーム全体の要点です。またこれはアブラハム、イサク、イスマエル、モーゼ、ヘブライの諸預言者、そしてイエス、ムハンマド(彼らに神の祝福あれ)に代表される全預言者・使徒の主要な教えだったと見なされています。例えばモーゼはこのように宣言しています:
“聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。”(申命記 6:4)
そしてイエスはこの1500年後、同じメッセージを繰り返しました:
“第一のいましめはこれである、「イスラエルよ、聞け。主なる私たちの神は、ただ一人の主である。」”(マルコによる福音書 12:29)
またイエスは、悪魔に対してこう言っています:
“サタンよ、退け。『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』と書いてあるのだから。”(マタイによる福音書 4:10)
そしてイエスの約600年後、ムハンマドの呼びかけはマッカ(メッカ)の丘々にこう響き渡りました:
“あなた方の神は唯一の神(アッラー)である。かれの他に神はなく、慈悲あまねく慈愛深き方である。”(クルアーン2:163)
そして彼らは皆、明確にこう宣言しています:
“アッラーに仕えなさい。あなた方にはかれの他に神はないのである。”(クルアーン7:59、65、73、85;11:50、61、84;23:23)
しかしこの証言を単に口先で言明するだけでは、完全なムスリムとは見なされません。完全なムスリムであるためには神が定められたように、預言者ムハンマドによって説かれた手法を実践しなければならないのです。これは信仰証言の後半が明確にしています。
b.ムハンマドが神(アッラー)の使徒であること。
ムハンマドはアラビア半島のマッカにて、西暦570年に生誕しました。彼の家系は預言者アブラハムの息子であるイスマエルにまで遡ります。信仰証言の後半では、彼が預言者であるだけでなく、彼以前のモーゼやイエスと同様、より重要な役割をもつ神の使徒であることも主張しています。彼以前の全預言者がそうであったように彼は人間でしたが、特定の部族や国家だけにではなく、全人類にその教えを伝えるために神によって選ばれたのです。ムスリムにとっては、彼こそが最後の啓示をもたらした預言者です。ムスリムはムハンマドを“最後の預言者”として認めることによって、彼の預言がアダムに始まる全ての啓示された教えを確証し、完結させると信じています。それに加え、ムハンマドはその模範的な人生によって良い見本ともされなければなりません。ムハンマドに見習おうとする信仰者の努力は、イスラームが強調する実行・実践の精神を反映しているのです。
コメントを付ける